東京大学大学院の入試試験についてまとめてみた【新領域創成科学研究科編】
このブログでは、筆者の経験を基に、世間のほとんどの方が知らない"高専から東大へ進学するルート"について、情報を共有していきます。
今回は東大大学院進学の概要について説明していきます。
東大の大学院には様々な研究科がありますが、その中で高専から進学する可能性の高い「工学系研究科」と「新領域創成科学研究科」について説明していきます。
今回は「新領域創成科学研究科」について簡単に紹介していきます。
新領域創成科学研究科とは
平成10年に新設された、修士・博士課程のみの大学院です。
「学融合」を理念に掲げ、領域横断的な教育と研究を行っており、新しい学問領域の教育研究を行っています。
出願資格
出願資格は以前紹介した工学系研究科と同じです。
全部で10個の出願資格がありますが、代表的なものと高専に関係するものをご紹介します。
・一般的なのは、「大学を卒業した者及び卒業見込みの者」
・高専専攻科からは、「学校教育法第104条第4項の規定により学士の学位を授与された者及び学士の学位を授与される見込みの者」
編入可能な学科
新領域創成科学研究科には12の専攻に進学が可能となっています。
外国語試験は共通で、TOEFL ITPにより実施します。
基礎科学研究系
・物質系専攻
・先端エネルギー工学専攻
・複雑理工学専攻
生命科学研究系
・先端生命科学専攻
・メディカルゲノム専攻
環境学研究系
・自然環境学専攻
・海洋技術環境学専攻
・環境システム学専攻
・人間環境学専攻
・社会文化環境学専攻
・国際協力学専攻
情報生命科学専攻
・情報生命科学専攻
入試の種類及び募集人数
専攻によって試験の種類は様々なのですが、概要について下の表にまとめてみました。
基本的に筆記試験(英語以外)と外国語(英語)の試験と口述試験から構成されています。
海洋技術環境学専攻と人間環境学専攻には特別口述試験という制度があり、これは口述試験に合格した場合、筆記試験及び外国語の試験を免除するというものです。
出願期間
受付期間は一般的に6月中旬です。
(例:平成28年6月16日から22日(H29年度))
特別口述試験の受付期間は5月後半から6月前半にかけてです。
(例:平成28年4月28日から5月6日(H29年度))
試験日時(筆記・口述)
例年8月上旬から8月下旬にかけて試験が行われます。
(日時は専攻毎に異なります。)
特別口述試験は7月上旬に行われます。
(書類専攻合格者のみ)
出願方法
検定料を納入し、下記の提出書類を送付する必要があります。
提出書類
・入学願書
・写真票・受験票
・検定料証明書貼付台紙
・出身大学の成績証明書
・出身大学の卒業証明書
・返信用封筒
・志望調査票
検定料
30000円
合格者発表
合格者は9月の第1週頃に発表されます。
(例:平成28年9月5日午前10時に新領域創成科学研究科掲示板に掲示(H29年度))
合格率
東大大学院全体の合格率に関しては、過去の記事にまとめていますのでご参照ください。
注意事項
・同時に新領域創成科学研究科の2つ以上の専攻に出願することはできません。
まとめ
今回は東京大学大学院の中でも新領域創成科学研究科についての試験概要について紹介してみました。
前回ご紹介した工学系研究科と全体の概要は似ているかと思います。
工学系研究科と新領域創成科学研究科のそれぞれの専攻を併願することは可能ですので、興味のある研究室があるようでしたらどちらも受験してみることをおすすめします。
また、新領域の方には一部の専攻で特別口述試験という筆記試験が免除になる制度も設けられていますので、興味のある方は是非調べてみてください。